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会長メッセージ

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公益社団法人日本社会福祉士会
会長 鎌倉克英

 新約聖書ルカによる福音書10章29節~37節は「よきサマリア人のたとえ話」としてキリスト者以外の方たちにも良く知られている箇所です。要約すると、次のとおりです。
 「ある人がエルサレムからエリコへ行く道で追いはぎに襲われました。追いはぎ達は服をはぎ取り金品を奪ったうえ、その人に大怪我をさせて置き去りにしてしまいました。たまたま通りかかった祭司(宗教儀式をつかさどる者)は、反対側を通り過ぎていきました。同じように通りがかったレビ人は見て見ぬふりをしました。しかし、あるサマリア人は彼を見て憐れに思い、傷の手当をして自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行き介抱しました。翌日、そのサマリア人は銀貨2枚を宿屋の主人に渡して『介抱してあげてください。もし足りなければ帰りに私が払います。』と言いました」というお話です。この箇所は、サマリア人がソーシャルワークの原点である、「今困っている人を助ける」を実践したことを記しています。

 私たち社会福祉士は、現在の「サマリア人」なのです。

 社会福祉士は、1987年に時代の要請により、ソーシャルワーカーの国家資格として誕生しました。当時の要請とは、迫り来る高齢社会への対応でありましたが、名称独占資格であったため、社会福祉士として配置されることがなく、社会的に認識されない状況が続きました。2006年4月より介護保険法による「地域包括支援センター」では、社会福祉士が総合相談支援業務、権利擁護業務の担当者として位置づけられ、初めて配置義務が設けられました。
 成年後見制度における第三者後見人としての受任、学校教育現場でのスクールソーシャルワーカー、更生保護の現場でのソーシャルワーカーなど、一般的な福祉の分野を超えて、社会福祉士の活躍の場が増えています。
 それとともに社会福祉士の重要性を認識してくださる方たちも増えてきましたが、現場で活動する社会福祉士の立場から見るとまだまだ十分とは思えません。なぜなら「今困っている人」たちが数多くおられるからです。

 現在、社会福祉士の合格者数は167,943人(第1回から第26回までの各都道府県別国家試験合格者数)、登録者数は160,612人(2013年3月31日)、都道府県社会福祉士会に入会されている数は、35,708人(2013年4月30日)となっています。
 1993年1月に誕生した日本社会福祉士会は、47都道府県の社会福祉士会と本部支部の関係で連携して社会貢献に努めてきました。
 2010年3月に都道府県すべての社会福祉士会が法人格を取得したことを受けて、日本社会福祉士会は2012年4月に連合体に移行しました。これは、47都道府県の社会福祉士会が連合して一つの組織を構成し、全国組織として社会貢献の力を強めることを目指しています。

 さて、冒頭の箇所から、アメリカやカナダでは、善きサマリア人の法と呼ばれるものがあります。「窮地の人(災難に遭ったり急病になったりした人など)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法です。皆さんの中にも国際線の飛行機などで、「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」と言うアナウンスを聞かれた方がおられるかもしれません。

 私たち社会福祉士は、「今困っている人を助ける」というところから制度を生み出します。時代とともに「困っていること」が変化していきます。高度情報化社会の到来に人権の取扱いも大きく変化しました。そのため制度が変化について行けなくなったり、制度で対応できない「困ったこと」が生まれています。
 例えば、先の飛行機の例で医者が病気で困っている人を助けようとしましたが、その方が亡くなってしまい医者が遺族から訴えられるなど、善意だけで単純に解決できない問題が数多く存在します。

 そのような中で、私たち日本社会福祉士会は、福祉の原点に立って、47都道府県の社会福祉士会と、それぞれの都道府県社会福祉士会に所属する個人会員と連携して、日本の福祉の向上に努めます。日本全国の皆さまのご理解ご支援をお願いします。