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「認定社会福祉士制度の創設」

 

認定社会福祉士認証・認定機構
運営委員長 橋本 正明

 

 社会福祉士の資格制度が成立したのは1987(昭和62)年です。それは措置型の福祉から、契約による社会福祉サービスの利用という、福祉の構造的改革に対応するソーシャルワーカー資格制度の誕生だったと言えます。
 しかし、それからすでに4半世紀が経過しました。近年の社会環境の変化に伴い、地域での社会的福祉ニーズは増加・多様化し、その問題解決は複雑・困難化してきています。  例えば、重度の認知症高齢者の増加に対する在宅生活の支援、高齢者や障害者、児童への虐待対応や防止への取り組み、さらには無縁社会と言われる地域での自殺者や孤立死問題、生活困窮者や若年失業者などへの生活支援等が挙げられます。
 現代における社会福祉課題は地域の中で一層その深刻さを増し、現在では社会福祉士の担う領域、実践現場も拡大してきています。介護保険サービスだけでは解決できない課題の顕在化に対応し、地域包括支援センターには社会福祉士が配置されました。
 また、雇用されずに独立事務所を構え、事業として社会福祉活動に取り組む社会福祉士が地域を実践現場として活動を始めています。
 そのような状況を背景として、07(平成19)年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正に当たり、国会での法案成立時、より専門的な知識及び技能を有する社会福祉士を認定する仕組みの早急な検討が附帯決議されました。この決議を踏まえ、08(平成20)年から(社)日本社会福祉士会の呼びかけにより、ソーシャルワークに関わる主な専門職団体、教育団体、経営者団体等関係団体が参集し、認定社会福祉士制度についての検討が進められました。

 検討は、制度の妥当性について厚生労働省との協議を踏まえながらの作業となりました。そして、資格を取得した後の実務経験や研さんを重ねた社会福祉士のより高い実践力及び専門性を認定する独立した機関として「認定社会福祉士認証・認定機構」の設立が11(平成23)年10月30日の設立総会において決議されました。
 これまで実践力を有する社会福祉士の養成には、職場におけるOJTによる育成指導、職能団体における生涯研修制度等による研修等が行われてきました。
 新しい認定社会福祉士制度ではスーパービジョンを必須として、経験目標、機構の「認証」を受けた体系的な研修受講と5年以上(想定8年程度)の相談援助経験を踏まえ「認定」します。
 また、さらに5年の経験、スーパービジョンの指導を必須として、より高度な認定上級社会福祉士の認定という2段階の認定制度を柱としています。研修認証は本年度からスタートし、資格認定については経過措置を含めて来年度からのスタートとなります。
 認定社会福祉士制度は、社会から求められる社会福祉士の実践力及び専門性を認定する制度です。当制度が福祉関係者をはじめ、広く国民に周知され、社会福祉士が今まで以上に国民の福祉の増進に寄与することを願っています。